今年1月、IPA(情報処理推進機構)が「情報セキュリティ10大脅威 2026」を発表しました。組織向けの1位は今回もランサムウェア、2位はサプライチェーンや委託先を狙った攻撃で、ここまでは例年どおりです。注目したのは3位です。「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が、今回初めてランクインしました。
内容は、AIへの理解が不十分なまま使うことによる情報漏えいや権利侵害、AIが出した結果を確認せずに使ってしまうこと、そしてAIによって攻撃が容易で巧妙になることなどです。AIは便利な道具ですが、使い方を決めずに広げると、会社にとってのリスクにもなります。
弊社は、生成AIを積極的に活用し、業績向上に生かす前提で運用しています。そのうえで、使い始める前に決めておくべきことは大きく3つあると考えています。
1 入れてはいけない情報を、具体的に決める
弊社では、アカウント情報と、氏名など対象者を特定できる情報は入力しない、犯罪や不正を目的には使わない、と定めています。ポイントは、「個人情報に注意」のような抽象的な言い方にしないことです。何を入れてはいけないのかを具体的に示せば、迷いが減ります。
もう一つ、設定への過信にも注意が必要です。弊社では「オプトアウト設定は、回答を制限する仕組みではない」という点を社内ルールに入れました。入力した氏名について、質問の内容や機能によっては、その人物に関する回答が生成されることがあるためです。設定は安全の補助にはなりますが、入力してよいかどうかの判断の代わりにはなりません。
2 使う場所とアカウントを決める
使ってよい生成AIは、別途定める利用ガイドラインに従うものに限っています。会話履歴が保存されるサービスもあるため、アカウントの管理と、入力する情報の扱いには注意が必要です。弊社では、アカウントの不正利用や情報漏えいのリスクを踏まえ、多要素認証(MFA)の導入を今後検討する必要があるのではないかと考えています。
個人が好きなツールを自由に使える状態は、便利である反面、会社として何が起きているかを把握できません。IPAも、AIの安全は利用者任せにせず、アクセス権限や認証、ログの記録といった仕組みで管理することの重要性を示しています。
3 使いながら、ルールとスキルを育てる
ルールは一度決めて終わりではありません。弊社では、利用者のスキル向上に継続的に取り組むことを、ルールの一部にしています。AIを正しく使える人が増えるほど、危ない使い方も見分けやすくなるからです。
最初から完璧なルールを作る必要はありません。小さく始めて、気づいたことを足していく。それが現実的な進め方だと思います。
AIの利用を禁止するのではなく、安心して使える環境を作ること。それが結果として、業績向上につながると考えています。
AIを「安心して使える人」を、一緒に育てませんか
熊本ソフトウェアでは、11月から「明日からの業務に役立つAI講座」(AI秘書/知識ゼロから始めるAI×HP制作講座)を開講します。AIを業務に取り入れたいが、何から始めればよいか分からない、社内でどこまで使ってよいか迷っている、という方に、使い方と、安心して使うための考え方をお伝えします。
講座の内容や日程は、下記のお知らせページをご覧ください。お申し込み、ご相談もお気軽にどうぞ。
講座のご案内:https://www.kmt-ics.co.jp/news/1530/
お問い合わせ:熊本ソフトウェア株式会社 TEL 096-289-2101(https://www.kmt-ics.co.jp/reference/)
